夏休みの小旅行
大学の夏休みは2か月近くある。
有意義に過ごしたいと思ってはいるものの、ついついダラダラと過ごして1日を終えてしまう。そんな1日を終えてしまった暁には激しい虚無感に襲われる。そして「ああ、なんて最悪な1日だったんだ」と気が沈んだまま眠りにつくこととなる。大げさかもしれないが、僕はそういうタイプの人間なのだ。
だから「今年こそは……!」と旅行に行くことに決めた。
とはいえ、貧乏学生で金はない。うまい具合にバイトのシフトが1日おきに入っており、旅行に出かける暇はない。このままでは悲しい夏休みの再来である。
金がないなら節約すりゃあいい!暇がないなら日帰りにすりゃあいい!
そう自分に言い聞かせて、旅行に行くことを体に叩き込ませた。
旅行に出かけることは若干面倒くさいのである。でも「面倒だから」という理由で旅行に行くことをやめたら後悔と自己嫌悪に襲われるに違いない。そこで「金もないし、時間もないし」は「面倒だから」というだらしない理由を用いずに「旅行に行かない自分」を正当化する根拠となるので危険なのだ。上記のように体に叩き込ませることで、「面倒だが仕方ない、行くか」と重い腰を上げさせるのだ。
旅費に関しては「青春18きっぷ」を用いて旅することで節約した気になった。1万2千円程度で1枚5回分(1人なら5日分)使用権が与えられ、JRなら特急、新幹線を使わなければどこまでも行けてしまう優れものだ。ちなみに1回分は隣県へインターンシップへ行くのに消化した。このことを友人に話したら「もったいな、せめて隣の県行くのに使うのはやめとけ」と言われた。
次に日程だ。インターンシップやバイトのスケジュールとにらめっこし、8月29日、9月1日、9月10日を旅行の日として設定した。ちなみにすべてバイトの日に挟まれている。
こうして貧乏学生&キツキツスケジュール日帰り旅行計画が進められていった。
それにしても、やはり旅行は計画を立てている時が一番楽しい。個人的には現地にいる時よりも。これは共感できる方も多いと思う。
旅行には計画をしっかり立てる派と、計画は立てないぶらり旅派がいる。しかし今回は日帰りのため行きたいところをテンポよく回るため、綿密に計画を立てた。電車はこれに乗ってこの駅まで行って……。グーグルマップを使ってここまでは何分で行けるとか調べて……。計画が完成したらそれだけで旅行を終えたぐらいの達成感を味わえる。
この前読んだ最果タヒさんのエッセイに「料理はレシピを見ている時が一番幸せ」とあったが、きっと同じことだと思う。何事も空想、シミュレーションしているときが一番楽しいのだ。
しかしながら、あまりにも綿密に計画を組みすぎて、時間に追われて慌ただしい1日を過ごすことになることは、このときは知る由もなかった。ちょっと考えればわかりそうなことだけどね。
そして8月29日、第1回目の小旅行が決行されるわけである。この旅行記についてもブログのネタとして明日以降書いていきたいと思う。膨大なものになりそうだが、ネタにしばらく困らないのは嬉しいことだから良しとしよう。