雨天結構 ~雨玉夕間の日記~

気ままに日常の出来事、感じたことを書いていきます。詩も載せます。

amazarashi Live Tour 2019 「未来になれなかった全ての夜に」 感想(5月19日 金沢 本多の森ホール)

amazarashiのライブに初めて参戦したのは、2014年の「夕日信仰ヒガシズム」ツアー(名古屋)で、それから2017年の「メッセージボトル」ツアー(名古屋)、昨年の「地方都市のメメント・モリ」ツアー(金沢・大阪追加)と参加してきました。もはや毎年恒例となりつつあり、ツアーの情報が届いてテンション爆上がりして、ライブ終了後数日間は虚無感に襲われるというのが一連の流れです。

そして今年も「未来になれなかった全ての夜に」ツアーに参戦してまいりました。5月19日金沢 本多の森ホール、7月5日大阪追加公演 グランキューブ大阪の2か所です。というわけで、その感想を書いていきます。

初のリリースの無いツアーということで、未発表曲が演奏されるのか…、はたまたあまり演奏されてこなかったレア曲が日の目を浴びるのか。当日まで思う存分ワクワクさせられたものでありました。

それでは、まず今回は金沢から。

 

※セットリストを記載しています、ご注意ください。

 

 

5月19日石川 本多の森ホール

f:id:umamedama:20190713224935j:plain

 

 昨年に引き続き、「息子がカラオケでamazarashiを歌いその歌詞に衝撃を受けファンになった母」を連れての参戦でした。アポロジーズの2回目の選考で予約し、席は前から7、8列目程度でした。

前日に新潟、からの金沢ということで、メンバーにとっては2日連続の演奏です。にもかかわらず、抜群の迫力、抜群の破壊力。去年もそうでしたが、「昨日もライブしました感」を全く感じさせない演奏でした。僕の語彙がしょぼいのですが(笑)、とにかく疲れを感じさせない、そんな全力のライブだったのです。秋田さんの調子も絶好調、いつにもなくノリノリでした。

この本多の森ホール兼六園より少し郊外の方へ進んだところにあるキャパ千数百人程度の会場なのですが、綺麗で良い会場なのです。メンバーにとっても演奏しやすい会場なのでしょうか。

ただいつも気になる点が…、良い会場すぎるからか、音の反響がすごいんです。つまり、めちゃくちゃ爆音なのです。爆音すぎて歌詞が聞き取れない、せっかくの演奏がめちゃくちゃに聞こえてしまう、ということも。昨年は数日間耳鳴りがすごかったです、今年は大丈夫でしたが。いつもの音量のはずなのに、この会場の作りのせいか大きめの音になっちゃう、ということなのでしょうか。この点は改善してほしいところ……。

 

さて映像の演出ですが、今年も進化してました。曲によっては紗幕とメンバーのバックのモニターの2つを使って映像を流します。これまでもとられてきたやり方でしたが、今ツアーではバックのモニターが大きめのものになった気がします。そしてバックで映像を流しつつ、紗幕ではデンと歌詞のみを投影する。昨年のツアーから増えた歌詞を流す映像ですが、さらに歌詞を生かすための贅沢な演出も見られました。

そして紗幕にはリアルタイムで撮影された秋田さんのジルエットがデカデカと映し出されるという演出も。「後期衝動」、「季節は次々死んでいく」、「未来になれなかったあの夜に」の3曲だったと思います。

 

セットリストは、とにかく夢中になる曲の並びでした。ベスト盤や最近リリースされた曲を聴いておけば網羅できるという、意外にも初心者向けのセットリストでもあったかもしれません。

 

それでは、記憶を頼りに詳しく感想を書いていきます。

 

暗転、「後期衝動」からライブはスタートしました。紗幕には秋田さんの全身がデカデカと投影されます。「これが新たな演出か!」と一気に引き付けられました。「青森から来ました、amazarashiです!!」、お決まりの挨拶に拍手と歓声。鳴り止まないうちに次の曲のイントロが流れ始めます。

「リビングデッド」、「ヒーロー」。この流れかっこよかった。最高にドキドキでした。「リビングデッド」の今から始まってくんだって感じと、「ヒーロー」で加速していく感じが。心臓バクバクでした。本当、どっちの曲もかっこいい。生演奏なら尚更です。

そしてMC前口上を挟んで「スターライト」。ライブの締め曲として活躍してきましたが、ここでのタイミングでもテンション上がりました。「未来になれなかった夜」をこれから巡る旅が始まるのです、スターライッスターライッ。ただ席が端だったもので、バッグモニターの映像が少し隠れて見えなかったのがちょっと残念でした。

5曲目は「月曜日」。月曜日もう一生やらないかと思ってました、びっくり。月曜日大好きなんですよ、もう感激。『月曜日の友達』の彼女彼らもそうですが、秋田さん自身も人と自分を比べて息苦しい思いをしながら青春時代を過ごしていたのでしょうか。映像メメモリのときとちょっと変わってたかな。次はぜひDVDにいれてくださいね。約束しよう。

ここからは、「たられば」、「さよならごっこ」、「それを言葉という」と続きます。「たられば」は映画『青の帰り道』の主題歌ということで、青春つながりでこの流れだったのでしょうか。

「さよならごっこ」、映像は「MVのフルバージョンが見れるのか!」と思っていましたが……。2番からは映像の使いまわしが目立って、ちょっと残念でした。

「それを言葉という」は僕の記憶ではまんまCD音源でした、すごい。

「そんな夜のことです」と前口上を経て流れたのは「光、再考」。虚無病ライブを彷彿とさせる映像に、歌詞がぽつりとぽつりと流れていきます。ラストの「オーオー オーオーーー」は圧巻。秋田さんの力強い雄たけびと共にステージが眩しく照らされていきます。「光、最高」な演出に拍手喝采でした。

後半戦は「アイザック」から。煙がもわんと上から下から広がるアイザックの映像、好きです。シングル曲のポエトリーリーディングをライブでやるのはすごく珍しいですよね。

そして間髪入れず「季節は次々死んでいく」。定番の曲ですが、今回のツアーテーマにもピッタリの曲です。映像はおそらくおニュー。サビの映像では、雨のように空から落ちてくる歌詞が、歌うデカデカ秋田さんにぶつかって地に落ちていきます。

続いては「命にふさわしい」。そろそろ外されるかと思っていましたが、まだ現役でした。大好きな曲なのでありがたい……。「命にふさわしい」はいつもその世界観に引きずりこまれてしまいます。賛否両論あるMVの映像ですが、ラスサビで「警告画面」が紗幕いっぱいに出てラストの盛り上がりに入っていくのは正直最高だと思います。危険地帯に突入していく感じ、引き込まれずにはいられません。「ひかりとかげっ!」いただきました。

前口上を挟んで「ひろ」に入ります。映像のない、スポットライトがメンバーに当てられていくだけのシンプルながら曲にぴったりの演出は、夕日信仰ヒガシズムツアーから恐らく変わっていません。そんな演出も手伝って会場全体がすっかり演奏に入り込んでいるようでした。「あの夜からずっと僕を見張っています」と秋田さんはひろについて語りました。そんなひろの存在を思い出すことで、夜を越えてきたのかもしれません。

そして「空洞空洞」、間髪入れず「空に歌えば」。「空洞空洞」がセトリに入っていたのはびっくり。外されるかと思っていました。歌詞の「亡霊と僕ら生きてる」の亡霊は、この曲の流れでは「ひろ」のことを指すのでしょうか。

ということは、「空に歌えば」での「君」も「ひろ」のことなのでしょうか。いろいろ憶測が飛んだ流れでしたが、「空に歌えば」で会場のテンションは最高潮です。秋田さんの揺れも最高。映像は前回のツアーと同じくMVだったのですが、今回はラスサビで会場内やステージを映す演出はありませんでした。代わりに心なしかしょぼい映像になっていました(笑)。ラスサビなのだから、もうちょいかっこよい映像が欲しかった、というわがままです。

「ライフイズビューティフル」は、このライブ前に公式ツイッターで演奏時の写真がアップされており、唯一セトリに組み込まれていることを知っていました。セトリは一切見ないよう頑張っていたところ、「ネタバレされちったよ!」て感じになりましたが(笑)。写真にも写っていましたが、何と言っても七色の光を使った演出が目を引きました。こんなカラフルな演出は初めてだったのではないのでしょうか。「何がどうなって ここに立ってるんだ」と「きっと場所なんてどこでも良かった」の歌詞が好きです。

 演奏が終わり、秋田さんにスポットライトが当たればMCの時間です。MCは、何だかマラソンでゴールして、息切れの中インタビューをされているような話し方に聞こえました。「武道館やって、すごくすごく、遠く…遠くに、来たなって、思って、武道館でライブやって、終わって、そんな風に、感じて……、それから……」詳しい内容は覚えてないのでツイッターの情報を参考にしつつですが、そんな感じのMCでした。とにかく、若干息切れしているような話し方から伝わってきたのは「夢中で演奏をしてきた」ということ。まさに走り抜いてきたスプリンターです。その意味ですごく嬉しいMCでした。あとは「次のアルバムのことは全然見通しが立ってないんですけど……」と言ってて、ちょっとがっくりしました(笑)。

MC、「言葉を取り戻すために!」と前口上を経て、「独白」が流れます。武道館で衝撃をくらったあの曲です。ただ、正直武道館以来音源を聴きすぎて、お腹いっぱいになりつつあります。しかし、今回は「独白」で終わりではなく、続きがありました。

 「言葉を取り戻せ!」独白を終えてから、間奏が続きます。「一体何が、何が始まるんだ??」とステージにすっかり釘付けです。「未来になれなかった全ての夜に!」と秋田さんが叫び、ギターをかき鳴らした後、静かなイントロが流れ始めました。これは、新曲ではありませんか……!ツアーの表題曲「未来になれなかったあの夜に」です。秋田日記で1番2番の歌詞が投稿されていたものでした。最初は少し暗い雰囲気の曲でしたが、サビに向かうにつれ徐々に盛り上がりを見せていきます。サビは癖になるメロディーで、1度聴いただけで頭から離れなくなってしまいました。ラスサビは「ジュブナイル」を彷彿とさせる歌詞でした。そして最後「ざまあみろ!」とギターを上下に力強く鳴らしていた秋田さんの姿が印象的でした。音源聴きたすぎるので、早くアルバムの見通し立ってほしいです。はーやーくー

曲が終わると、締めのMCです。曲のテンションを維持したままの、力強い口上でした。またもやスプリンターを感じました。注目すべきは最後の最後の締めですが、前回の締めは「言いたいことはこれで全部。ただ、最後に一つだけ……ありがとうございましたァ!!」ジャーン! でした。前回の締め方好きです。

今回は「言いたいことは言うべきです。だから最後に、今言うべき言葉を……ありがとうございましたァ!!」ジャーン! 二番煎じ臭がする気もしますが、今回も好きです。会場は拍手と歓声に包まれ、自分も手が真っ赤になるほど拍手をしました。「ありがとう!!」と叫びたいところでしたが、隣に母がいます。恥ずかしいので叫びませんでした。

 

大変失礼な話になりますが、自分はどんなバンドのライブでも「中だるみ」をしてしまいがちです。あるとき集中が途切れてしまい、つい演奏から気が散ってしまうのです。amazarashiでも例外ではありません。しかし、今回のライブでは「中だるみ」を感じませんでした。それほど夢中にさせられ、演奏・演出に圧倒された時間だったのです。

しかしながらついつい秋田さんにばかり目がいってしまい、メンバー全員をしっかり見ていたと言ったら嘘になります、ごめんなさい……。それでもやはり、メンバーが一体となった、心に響く力強い演奏があったからこそであることには違いありません。何だか偉そうですね、本当にごめんなさい。

さて、母の感想ですが母も圧倒させられたようです。「秋田さんの心の叫びが伝わってきた」と言っていました。母も苦労人で、秋田さんの人生観に共感したり、秋田さんの叫びに心動かされることが度々あるんだとか。母にも満足してもらえて良かった。

音響や映像、不満はちょいちょいありましたが、そんなもの消し飛ばしてくれる、とにかく最高のライブでした。

 

金沢の感想は以上です。長くなってしまいましたので、大阪追加公演の感想はまた気が向いたら書きます。今回よりは短めになりそうですが、書きたいことがまだまだあるのです。

それでは、それが未来になれたときに会いましょう。(全然上手くない)

 

 

セットリスト
1.後期衝動
2.リビングデッド
3.ヒーロー
4.スターライト
5.月曜日
6.たられば
7.さよならごっこ
8.それを言葉という
9.光、再考
10.アイザック
11.季節は次々死んでいく
12.命にふさわしい
13.ひろ
14.空洞空洞
15.空に歌えば
16.ライフイズビューティフル
17.独白
18.未来になれなかったあの夜に

 

f:id:umamedama:20190713224930j:plain