雨天結構 ~雨玉夕間の日記~

気ままに日常の出来事、感じたことを書いていきます。詩も載せます。

amazarashiの曲について語る

前回の更新、2月じゃないですか。こんなに放置していただなんて。お久しぶりです。

突然ですが、今回から文体を「敬語」にします。やっぱり自分にはこの文体の方があってる気がするのです。

 

さて、今日は僕が愛してやまないamazarashiの曲についてのんびり語っていこうと思います。適当に曲名あげて、自分なりの解釈とか思い入れとか語っていきます。

 

 

ジュブナイル

高校時代一番好きだった曲です。力強いメッセージで少年少女の背中を押してくれる応援歌。

 

君が君を嫌いな理由を 背負った君のまま成し遂げなくちゃダメだ

「自分のコンプレックスを抱えたまま自己実現する、というのが本当の意味でのハッピーエンドだ」(BEST ALBUM「MESSAGE BOTTLE」 / amazarashiより)と秋田さんは言います。思春期は自分の嫌いなところがひどく目について、本当に嫌でたまらなくなる時期だと思います。

自己嫌悪と葛藤を重ね、後ろ向きになってしまう人、消えてしまいたくなる人は少なくないはずです。そんな苦悩の日々を「間違いじゃないよ」と肯定してくれるような、そんな曲です。

『物語は始まったばかりだ』このフレーズに何度と涙ぐんだことか。

 

世に放たれたタイミングはちょうど僕がamazarashiを知った頃でした。「少年少女」に焦点を当てられていることもあり、当時高校生の僕にはどストライクでしたが、おじさんファンの間での反応はイマイチだったんだとか。

 

リリースからしばらくはライブの定番曲となり、今はフェスで歌われることが目立つようになりました。自分が生で聴いたのは唯一ヒガシズムツアーだけなのですが、このときの前口上をよく覚えています。「あんたの明日に幸あれ!ジュブナイル!」

またツアーで演奏してほしい一曲です。欲を言うなら前口上付きで。

 

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②季節は次々死んでいく

言わずと知れた某アニメのED。タイアップが決まった時は本当に衝撃でした。当時、東京喰種大好きな友人とめちゃくちゃ盛り上げった記憶があります。これがきっかけでamazarahiを知った人も多いんじゃないかなと思います。

 

忌まわしき過去を心のどこかに留めておきながら、それでも進んで行く。そんな姿を歌ったamazarashiらしい一曲です。

 

秋田さんには、東京での音楽活動に失敗し、引きこもりになってしまったという忌まわしい過去があります。しかし音楽活動を再開し、メジャーデビューを果たし、今では人気バンドです。

この曲を作ることになったきっかけは「レコーディングやライブで東京へ行くときの場違い感を感じたこと」とのこと。必死に音楽活動を続けていく中で自然に季節は巡り、忌まわしき過去はいつの間にかずいぶん遠いものになり、かつてとは全く違う景色の中にやって来たのです。場違い感は、その「いつの間に」から来たものかもしれません。

しかし、それは決して「ネガティブな意味」ではありません。むしろ「ここまで来れたんだ」とふと思えた、そんな喜びに近いものだと思います。 

「それでも」と日々を生きてきた、それは間違いではなかった。amazarashiが「アンチニヒリズム」を掲げながら歌い続ける意味が詰まった曲です。

 

 

メロディー先行で作ったとのことですが、そのメロディーにしっかり歌詞が乗っている感じ。サビの詞の語感が特に好きです。

amazarashiばかり聴いてるからかそう思わないのかもしれませんが、この曲のメロディーって独特らしいですね。「変なメロディー」って言われたこともあります。確かに、初めて聴いたときは「なんだかまた歌いにくそうな曲だな」とは思いましたが(笑)。

 

ライブでは定番中の定番として活躍。リリースから早数年経ちましたが、知名度的にも、amazarashiらしい曲としても、代表曲として今後もまだまだ活躍しそうです。

 

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③つじつま合わせに生まれた僕等

僕をamazarashiにドハマりさせたきっかけが、この曲でした。母をamazarashiの世界へ誘ったのもこの曲です。

僕の中の勝手なイメージですが、amazarashiの曲の語り手の居場所は、狭くて暗い部屋のような気がしています。(まさにつじつま2017のミュージックビデオがそんな感じですね。)けれど、その場所で、自分が生きていくための希望を掬いだすような、amazarashiの曲はその一部始終を見ているように感じられるときがあります。この曲もそんなイメージです。

「小さな何でもない情景から始まって、それが今現在の自分と繋がって、最後に未来を描く、ということがやりたかった」(BEST ALBUM「MESSAGE BOTTLE」 / amazarashi)と秋田さんは言います。正直、1番のサビの「少女の頭が吹き飛ばされて、そこに木が立って、街が出来て…」ってくだりは、意外と秋田さんじゃなくても書ける気がします。この曲の重要なポイントは、それが「今現在の自分」へと繋がっていくための過程にあるという点ではないでしょうか。そして最後は「せめて人を一生かけて愛する」という希望にたどり着きます。

語り手は狭くて暗い部屋にいながらも、生きる希望を探すべく壮大な展開を進めていきます。これがこの曲の魅力だと思います。

 

匿名を決め込む駅前の 雑踏が真っ赤に染まったのは

夕焼け空が綺麗だから 

つじつま合わせに生まれた僕等

このフレーズが僕をamazarashiの虜にしました。

何と言っても「人殺しと誰かの不倫と」からこのフレーズに至るまでの2番のサビへの流れが最高です。

 

風刺も混ぜ込まれ、さりげなく「ろくでもない世界で」というフレーズも混ぜ込まれ、「amazazashiの形を決定づけた」と言っても過言ではないこの曲。

「ラヴソング」的な側面も持ち合わせているとも言われ、そういった意味でも魅力的すぎる曲です。

 

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④ラブソング

 amazarashiの世界に足を踏み入れるきっかけとなった曲です。(amazarashiとの出会い - 雨天結構 ~雨玉夕間の日記~参照)

最初は歌詞の意味も深く考えず、曲の世界観にひたすらのめり込んでいました。

 

常套句を並べた恋の歌に一石を投じるべく、世に放たれた曲です。個人的には「アノミー」の延長線上にあります。

常套句を並べるとするなら、「好きでしょうがないよ」とか「抱きしめたいよ」とか「一生一緒だよ」とか、そんな感じでしょうか。

ここからは僕の私見が入りますが、カップルが「ずっと一緒にいようね」とか「最高の彼氏(彼女)だよ」とか言っておきながら、突然飽きが来て、「もういいわ、さよなら」と別れてくパターンが結構あるんじゃないかなと思います。恋は盲目とも言いますし、しょうがないことなのかもしれませんが、何か違うような気もします。

この現象をamazarahiの「ラブソング」風に言うならば、「愛を消費している」のかもしれません。恋愛が、後先を考えず、現状を満たすためだけに行われます。そのために、本来なら重みのあるはずの言葉が容易く使われ、「幸せの幻想」を作り出します。そうやって愛が消費されているような気がします。

もう少し曲に沿った解釈をするならば、「愛を買う=常套句を並べたラブソングを買う」ということでしょうか。お金を払えば、幸せの幻想を作り出せる魔法の言葉が詰まった愛の歌が手に入るのです。これは「急いで買いに行かなきゃ」ですね!!

 

そもそもこの曲は「未来は無いぜ 陽も射さない」という強烈なフレーズから始まります。未来に期待できない時代だからこそ、「愛こそ全て」だからこそ、愛の意味についてもう一度問い直さなければならないのです。

 「つじつま合わせに生まれた僕等」と結びつく部分がありますね。

 

この曲のイチオシポイントは、やはりラスサビの畳みかけですよね。「急いで買いに行かなきゃ~愛を買わなくちゃ」の皮肉炸裂ポイントが毎度突き刺さります。

 

そういえば時折思うのですが、「愛を買う」というフレーズは「ソシャゲの推しキャラのために課金しまくる」(あんまり詳しくないので若干適当ですが)っていう状況にも当てはまる気がするのです。秋田さんはどう捉えているのか、気になります。

 

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⑤命にふさわしい

 この世で一番好きな曲です。

ニーアオートマタとのコラボを通じ生み出された曲ですね。ニーアオートマタは体験版を友人にやらせてもらったことがあります。PS4持ってないんですよね……ホシイ。

 

「世界を滅ぼすに値するその温もりは」「世界を欺くに値する僕らのこれまでは」

描かれるのは時折曲のテーマとして挙がる「対 世界」。ではなぜ世界と対峙することになってしまったのでしょうか。

秋田さんは、アポロジーズにてこの曲の出発点を「大切なものを奪われたとき」と語っています。恋人、友人、夢、そういった大切なものを傷つけられ、奪われ、失ったときに 「世界を滅ぼすくらいの怒り」を覚えるのです。みなさんは大切なものを失った経験はあるでしょうか。

喪失は悲しく、悔しいものです。しかし大切なものを守るためには、悲しんでばかりはいられません。怒りをもって、世界に立ち向かわなければなりません。それでも失ってしまったことに対する悲しみを振り払うことができないのです。このもどかしさを「心さえなかったなら」と叫びます。

そしてこの曲を一貫するのは「全てを投げ出してまで大切なものを守り抜く」という語り手の強い思いです。「それこそが 命にふさわしい」のです。

これまでの喪失だらけの人生を回顧しながら、「けれどもそれで終わりじゃなかったはずだ」「この生き方は間違いじゃなかったはずだ」と一握りの希望を見出す。僕は「命にふさわしい」をそんな曲だと思います。

 

 

ライブでは常連の曲。「光と陰」なのですが、秋田さんのそのときの調子やテンションによって歌い方が変わる気がします。今までで一番印象的だったのは、最後の最後で全力を出し切ってきた、メッセージボトルツアーの「ひがりどがげ!」です。メメントモリツアーで聴いた突き抜ける高音「光と陰」もすごい良かったです。武道館では「ひかりとかげっ!」で、今後はその歌い方の感じで行くんでしょうか。

そうそう、調子が悪かったメメモリ大阪追加公演のすごい苦しそうな「びがりどがげ!」も……忘れられないです(笑)。

 

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 さて、以上5曲について語ってまいりました。あまりマニアックな楽曲ではないですが、いずれも何らかの思い入れがあって好きな曲です。勝手な解釈が見られたと思いますが、どうかお許しください。

 amazarashiにハマってもう6年も経ち、時の流れの速さに驚きです。と同時に、6年もハマらせてくれるamazarashiに出会えて感謝感謝です。

来月ツアーの追加公演行くのでそれもまた楽しみ。ライブの感想も書きたいですね。あ、ホテル予約しなきゃ。

とまあ、何とも面白みのない締めくくりですが、今回はこのあたりで失礼します。次回は、気が向いたら更新ってやつですね。